拓友建設のブログ

高性能住宅+デザインの拓友建設が、家や暮らしのことを分かりやすく書くブログ

こまめに勉強しています

YKK AP様のご協力で、石狩市の北海道工場内「P-STAGE北海道(プロユーザー向けのショールーム)」に伺わせていただきました。
メンバーは藤建サッシの藤川氏、ホリゾンアーキテクツの一原氏、弊社から私を含めて2名の計4名でした。


まず、少ない人数にもかかわらず手の込んだ勉強会を開いて下さったYKK APの皆さま、有り難うございました。内容は高断熱、高機能商品の説明、工場内の視察と「かため」です。

商品特性についてはここで説明するよりこちら(https://www.ykkap.co.jp/apw/apw430/index.html)で見ていただいたほうが間違いないです。

 

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P-STAGE北海道前です。寒いから早く中に入りたい

 

新商品が出たとおもったら、数年後にはそれの性能を上回る新商品がまた出てきます。私たちがお茶を飲んでいる時間にも、よりよい商品を生み出そうとたくさんの方々が頑張っているんですよね。

現状に甘んずることなく、性能数値をはじき出したりしてつねに上を目指しているんだなぁと、なんだかドラマの「下町ロケット」をイメージしました。

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性能がアップした商品はちゃんと把握しておかなければなりません

 

ここで気が引き締まるのが、せっかくいい商品を使っても施工が悪ければその性能はムダになってしまいます。商品の性能を最大限発揮できるような施工が不可欠だとあらためて思います。

いい商品はそれなりのお値段がしますからね。お施主様には「これにして良かった!」と言われて当然、間違っても損をさせてはなりません。

 

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YKK APさんはネジの1本まで自社生産だとは驚きました

 時間を作っては小まめに勉強会や研修会には参加していますが、ショールームはたまに覗く程度。札幌にもショールームと名が付く施設はかなりの数があります。でも久しぶりに伺うと、見応えが増しているんです。よりイメージしやすくなっていたり、性能の「見える化」がすごかったり、楽しめる要素がたくさん詰まっています。

休日のレジャーにお近くのショールームに出かけてみてはどうでしょう?きっと楽しめると思いますよ。

 

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珈琲のほかにホテル、レストランの「食」の部門もYKKグループさんにはある

余談ですが、YKKさんはブラジルに3300万坪のコーヒー農場をお持ちだとか。そこで栽培してるオリジナル珈琲「カフェ・ボンフィーノ」を飲ませていただきました。

丸みのある薫りと抑えられた酸味、とても美味しかったです。

新築実例・プライベートコートがあるトップランナー住宅

設計:(株)ホリゾンアーキテクツ 一級建築士事務所、

施工:拓友建設(株)、写真:KEN五島

 

この住宅は札幌版次世代住宅のトップランナー等級を確保しています。

具体的には外皮平均熱還流率(UA値)は0.17、相当隙間面積(C値)は0.21、1次エネルギー消費量は等級5で暖房+換気は34%となっています。

相当隙間面積(C値)の0.21を具体的に表現すると、家中の隙間を寄せ集めても名刺サイズ半分ほどの大きさしかないという事になります。また壁の断熱材の厚さは約30センチになります。

建主さんのこだわりと国内トップクラスの性能を実現した住宅です。

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どっしりと安定感がある外観。右の塀に囲われている部分がプライベートコート

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アプローチの様子。夜の陰影が下見板貼りの表情をひきたてている

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玄関入ってからの見返し。床暖が入っているので外からの冷気も入らず、濡れた靴もすぐ乾く

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階段室はオープンにしてリビングと一体化

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南面の大きな窓のおかげで階段室、リビング、ダイニング、キッチン全てが明るい

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回遊できる二列型のゆとりあるキッチン。奥には和室

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間やお昼寝場所として使い勝手がよい和室。引き戸を全て壁の中にしまうとリビングの一部に

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床はカバ材オスモ仕上げ、そして全面床暖房。部屋に暖房機がないのでスッキリ

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床下で暖められた空気が窓下のルーバーから上がることでコールドドラフト(冷気)止めになり、足下が冷えません

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キッチンからはコートで遊ぶ子供達の様子が見えるように

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壁と一体になっている曲線の庇(ひさし)は1200mm以上。夏の日差しを遮って室内の温度を抑える

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玄関の目隠し塀はシースルーにして人のシルエットは分かるように

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家が建上がった後、札幌市が申請基準を満たしているか確認。その後授与される認定書はいわば「性能を見える化した保証書」。五つ星はトップランナー住宅の証

 

最後に設計者の一原さんからコメントをいただきました。

 

■設計:一原寿寛さん
「住宅設計では「窓の在り方」を吟味して計画を行います。
この住宅では2階の窓を天井いっぱいに設けることで、
・冬場は部屋の奥まで日射が届くので明るい室内になる。そしてたくさんの青空が見える。
・夏場は部屋上部の温まった空気の排気効率が高いばかりでなく、突き出し窓と庇のダブル効果でゲリラ豪雨でも雨が入りにくい。
・通りや近所の住宅からは人影が見えずらいので、夜でもプライバシーが確保しやすい。
といった恩恵を受けられます。

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窓を真剣に考えることで、この御家族にピッタリの明るく広々と感じられる空間になったと思います」

札幌版次世代住宅について

「札幌版次世代住宅基準」ってどうしてできたの?

 札幌市では冬の暖房は必須です。でもそのせいか全国に比べて家庭から出るCO2の割合が高いのだそうです。

国は「省エネルギー基準」で住宅の断熱性能など定めていますが、札幌市は「この基準は札幌市ではまだ不十分。さらに高気密高断熱住宅の基準を定めてCO2の削減につなげよう。国内最高水準の性能を目指しながら、2030年までに約46万トンのCO2削減(2012年比)を目指そう」と「札幌版次世代住宅基準」を策定しました。


そして規定レベル以上の戸建て住宅を新築する札幌市民に建設費用の一部を補助することにより、普及促進を図っています。

 

 補助金額はレベルによって違います

 補助金額は、トップランナーが1件あたり200万円、ハイレベル同150万円、スタンダードレベル同80万円、ベーシックレベル30万円です。
平成30年度は全3回の合計で、トップランナー3件、ハイレベル7件、スタンダードレベル81件、ベーシックレベル21件の枠がもうけられました。
そして私たち拓友建設はここ数年、必ずトップランナー又はハイレベルの補助金を利用させていただいています。

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住宅のレベルが高いことの利点

 トップランナー又はハイレベルの住宅だと、真冬の北海道でも日差しが入れば無暖房で過ごせます。外は氷点下でも家の中はどこも同じほわっとした温度。
それは夏でも当てはまります。外は30℃超えの真夏日でも日中の日差しを遮蔽すれば、冷房を入れなくてもわりと過ごせます。冷暖房エネルギーの節約で電気代は安くなり、CO2もカットできます。


住宅を高気密高断熱にしていくと初期費用はかかりますが、年間の冷暖房費が安くなるのでその分は必ず回収できると思っています(もちろん節約意識ゼロでつけっぱなし、開けっ放しではダメですよ)。

その間、毎日の生活が快適なことは言うまでもありません。

 

「スタンダードで十分」と言っていて、建てたすぐ後から「やっぱりトップランナーかハイレベルにしたい」と希望してもすみません、それはちょっと無理です(改修するにはたくさんのお金がかかってしまいます)。

一生に一度か二度の大きな買い物。勢いにまかせずじっくりと家族で話し合ういい機会です。住宅の寿命が長くなってきています。たぶん子や孫の代まで残るでしょう。

家族の意見がまとまった後、みんながワクワクする家造りの開始です。

 

 施工側の苦労

 住宅の性能は数値で表せます。今の時代の「見える化」はお施主様にとってとてもいいことですね。実は私たちにとってもいいことです。数値=施工力ですから。

ここで会社選びが重要になります。いい住宅性能の数値は一朝一夕で出せるものではありません。気を抜かず、手も抜かず、丁寧に、丁寧に。施工側が経験と研究と勉強を重ねて、やっと満足のいく住宅性能の数値が出るようになるのです。

隙間相当面積でいうと、私たちはどの現場でもすべて「C値=0.5c㎡/㎡」以下です。


次回はトップランナーの新築住宅をご紹介します。

画像では家の性能は見えないのですが、冬暖かく夏涼しい本当に快適な家ですよ。

新築実例・パッシブ換気の平屋住宅

設計:エスエーデザインオフィス 施工:拓友建設(株) 写真:酒井広

 

長年、家のメンテでお付き合いのあったお施主様の建て替え住宅です。以前は2階建てでしたが家族構成の変化に伴い、今度は暮らしやすい平屋住宅に。

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横長で安定感のあるスッキリとしたフォルム。

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屋根上に見えている煙突はストーブ用ではなくパッシブ換気のためのものです。

 

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パッシブ換気は機械を使わず家そのものが換気装置になります。電気代もかからず音もでません。http://www.takuyou.jp/cleenair/index.html 間取りは真ん中リビングで、両方に個室があります。

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以前の家を取り壊すさい、大事にしていた庭はこれからも楽しめるよう出来るだけ残しました。 採れたブルーベリーでジャムをつくって頂いたこともあります。

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デッキは枕木でつくりました。庭いじり後の休憩場所にぴったり。椅子を出してお茶を楽しむのもいいですね。

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仕切りがない開放的な空間です。壁は塗装仕上げです。

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建具はすべて引き戸に。そして枠をなくし壁と一体に見えるデザインに。

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暖房機がないのは、床下の空間にパネル暖房機を納めているからです。外からのフレッシュな空気を暖めて室内に入れているのです。

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窓下のルーバーから暖められた空気が上ってきます。窓の冷気もこれで解消。フラットで美しい空間です。







 

明けましておめでとうございます

今年の札幌のお正月は、気構えていたほど寒くなく雪も少なく感じます(といっても毎日氷点下だし、雪も積もってはいますが)。

年の初めはいつも気が引き締まりますね。今年はどんなお施主様と出会えるか楽しみでなりません。100人のお施主様がいたら100の暮らしがあり、抱いている希望の数はその何倍でしょうか?千?一万?

それらにお応えできるプロでいたいと思っています。

今年も拓友建設を宜しく願いいたします。

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メインクーンのメイ4歳♀です。彼女は柔らかなベッドより箱の方が居心地がいいみたいです。猫もそれぞれです。

 

2018年も残りあと5日

皆様、今年もお世話になりました。ありがとうございました。

たくさんの方との出会いがあり、刺激を受け、古くからの友人達とは親交を深め、数十年前の自分に戻るくりかえしでした。その2018年がもうすぐ2019年になります。皆さまにはどのような1年でしたか?

 

「2018年今年の漢字」は、なんと「災」でした。

たしかに地震や水害、台風など「自然の前では人間はなんて無力なんだ」と思った出来事が多かったですね。北海道でも大きな災害がありました。

その災害に遭い今も不便な生活をされている皆さまがおられます。お見舞いとともに、少しでも早く日常を取り戻せるよう、心から願っております。

 

来年の漢字が発表されるまでは1年以上ありますが、どうか「2019年の漢字」は「喜」のような思わず笑顔になるような漢字でありますように。

 

拓友建設は28日から2019年1月6日までお休みをいただき、7日から通常営業をさせていただきます。

どうかすてきな年末年始をお過ごし下さい。

「分かりやすい」気密の話.1

先日、私たちが施工した住宅の「気密性能試験」を行いました。
結果はおかげさまでとても納得のいく数値が出たのですが、「ウーム…こんなに家にとって重要なこと、もっと皆様に理解していただく努力をしなければ」と思い立ちました。実はずっと気になっていたんです。

 

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今回、気密性能試験をおこなった家の外観です。あいにくの雪模様。

家のとても大切な要素「気密・断熱・換気」。

でも目に見えないのが悩ましく難しいところです。床材や窓、キッチンや収納は楽しんで見て選ぶことが出来ますが「気密・断熱・換気」はどうしても地味なイメージ。お施主様も「専門的な分野」と敬遠されがちです。知ると面白いのですけどね。


家の性能は「気密・断熱・換気」で90%決まると私は思っています。

なので少しづつ「分かりやすく」これらの話をご紹介していければと思います。家を建てるって一生に1度か2度のすごい事。皆様には間違いない「大満足の我が家」をぜひ手に入れて欲しいのです。


今回は気密の話を少し。


気密は、性能を機械で測定すると数字で見ることができます。
家の床面積に対してどのくらい隙間が小さいのか?をC値といい、〇cm2/m2と表わします。数字が小さければ小さいだけ隙間が小さく「気密が高い家」と言うことができます。下の画像が気密測定の様子です。

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気密測定は、資格を持った技能者が拡声器のような機械で家の空気を排出&測定します

「気密が悪いとなぜダメ?」かというと、隙間から「冷気や熱」が逃げてしまうので夏は冷房代がかさみ、冬は暖房をつけても部屋が暖まらず暖房代も高くなります。

お金をかけて、せっかく断熱材を厚く入れても意味がなくなってしまうのです。
自慢ぽくなるのですが、私たちが施工した家は気密性が高いので「以前の家より冷暖房費が減りました」とお施主様が教えてくださいます。

 

ただ確かに気密は高ければ家の中の空気が逃げにくくなりますが、生活をしていると料理などの様々な臭いがでますよね。洗濯物を部屋干ししたら湿度も高くなります。カビが生える原因にもなります。

そこで切っても切り離せないのが「換気」。

空気を逃げにくくさせておいて換気だなんて相反することのように思えますよね。でも実は気密が高い住宅は換気をコントロール出来るんです。それを「計画換気」といいます。


気密から換気に話が動いて、ここらへんでウンザリされる方がいそうです。少しずつって難しいですね。続きはまたこの次にします。

 

さて私たちの「気密性能試験」の結果ですが、C値0.2c㎡/㎡でした。この家は5.5㎝×9㎝という「名刺の半分以下の隙間」しかないことになります。

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参考までに、次世代省エネルギー基準値、北海道はC値2c㎡/㎡です。

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NEDO(新エネルギー技術開発機構)から抜粋>

 

札幌版次世代住宅の基準はさらに厳しく、C値1〜0.5c㎡/㎡です。

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札幌版次世代省エネ基準値

 

・今回のまとめ・

気密性能の数値は、小さいほど「気密が高い(隙間が少ない)」

 

早く詳しく知りたい!という方は、よそ様のサイトではありますが

換気システムの課題とこれからの住宅換気」

北海道科学大学工学部建築学科教授の福島明先生が書かれたコラムがとても詳しくて参考になると思います。